景品表示法とは?押さえておくべきポイントをわかりやすく解説
商品やサービスを提供する企業にとって、景品表示法(以下、景表法)は非常に重要な法律となっています。
この記事では、景表法とは何かについて詳しくご説明していきます。
◆景表法とは
景表法は、消費者を誤認させるような広告や消費者の判断を誤らせるような過大な景品の提供を禁止する法律となっています。
消費者庁は、消費者からの景表法違反に関する通報を受け付けており、違反があった場合には、再犯防止を命じる措置や課徴金の納付を命じる権限を有しています。
景表法は上記でも示したとおり、以下の2つの内容の禁止を定めている法律です。
・不当な広告表示
・過大な景品の提供
それぞれについて詳しい事例に即して見ていきましょう。
●不当な広告表示
不当な広告表示の内容としては、「優良誤認表示」、「有利誤認表示」、「その他誤認させるおそれがある表示」の3種類を禁止しています。
特に優良誤認表示と有利誤認表示について詳しく解説をしていきます。
・優良誤認表示
優良誤認表示は、景表法5条1号により禁止がされています。
景表法5条1号
商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
もう少し簡単に説明すると、実際よりも著しく優良であるかのように表示をするものや、事実に反して競合他社の商品、サービスよりも著しく優良であるかのように表示をすることを指します。
優良誤認表示に対しては、不実証広告規制ルールというものがあります。
このルールは、消費者庁が、広告で宣言されたり、商品のパッケージなどに記載されている効能について、根拠資料の提出を求めた場合には、事業者は15日以内に根拠資料を提出しなければならず、それができない場合には、優良誤認表示と判断されるというものです。
・有利誤認表示
有利誤認表示は、景表法5条2号により禁止されています。
景表法5条2号
商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
これを簡単に説明にすると、価格や商品の量、アフターサービスなどの取引条件について、実際よりも著しく有利であるかのように誤認させる表示や競合他社の商品、サービスの取引条件よりも著しく有利であるかのように誤認させる表示のことを指します。
有利誤認表示の例としては、期間限定キャンペーンがあります。
期間限定とされているにもかかわらず、繰り返しキャンペーンが行った場合には、有利誤認表示に該当する場合があります。
その他には返金保証広告も有利誤認表示に該当する可能性があります。
広告では無条件で返金を受けられるかのような宣伝をしていたが、実際には契約書や利用規約で「◯日以内に連絡した場合のみ」や「会社が承認した場合のみ」などといった条件を設けている場合には、有利誤認表示となります。
また、オンラインゲームのガチャの確率表示についても有利誤認表示と判断されるケースがあります。
ガチャで特定のキャラやアイテムの排出率が3%となっていたが、実際には0.33%だったという事例においては、有利誤認表示にあたると判断されました。
●過大な景品の提供
過大な景品の提供で禁止されているのは、主に「一般懸賞」、「共同懸賞」、「総付懸賞」の3つとなっています。
・一般懸賞
一般懸賞とは、くじや抽選、クイズの回答や競技や遊戯の優劣などにより、購入者の一部にのみ景品を提供することを指します。
このような懸賞については上限規制が設けられています。
取引価格が5,000円未満の場合には、景品の最高額は取引価格の20倍までとし、景品の総額の上限は懸賞を提供する取引による売り上げ予定総額の2%までとなっています。
また、取引価格が5,000円以上の場合には、景品の最高額は10万円までとし、景品の総額の上限は懸賞を提供する取引による売り上げ予定総額の2%までとされています。
・共同懸賞
共同懸賞は、商店街や一定の地域の同業者が共同して景品を提供することを指します。
共同懸賞の上限規制は、景品の最高額が取引価格にかかわらず30万円までであり、景品の総額の上限は懸賞を提供する取引による売り上げ予定総額の3%までとされています。
・総付懸賞
総付懸賞は、商品の購入者全員や来店者全員を対象とし、景品を提供することをいいます。
取引価格が1,000円未満の場合には景品の最高額は200円まで、取引価格が1,000円以上の場合には景品の最高額は取引価格の10分の2までとされています。
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- 経歴
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- 昭和55年
- 埼玉県所沢市生まれ
- 平成15年
- 中央大学法学部法律学科卒業
- 平成17年
- 司法試験合格
- 平成20年
- 法律事務所勤務
一般民事から企業法務、知的財産訴訟等幅広い分野の案件に携わる。
- 平成23年
- 都内医療機器輸入商社にて勤務
法務部門(国内外契約業務、労務紛争等)
物流部門、マーケティング部門の責任者を歴任。
- 平成30年
- 真英法律事務所設立
菊名支店代表
- 令和4年7月
- 新横浜の現事務所に移転し、『黒川慶彦法律事務所』に改称
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