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カスタマーハラスメントとは?企業側がどんな対応をするべき?

近年では「カスタマーハラスメント」という、顧客や取引先が立場の優位性を利用して、悪質な要求や理不尽なクレームなどを行う行為が問題となっています。

 

本記事では、カスタマーハラスメントの事例や対処法について解説をしていきます。

 

◆カスタマーハラスメントとは
カスタマーハラスメントは、クレームと同一視されがちですが、全くの別物となっています。
クレームという言葉についても、ある程度マイナスのイメージがついていますが、本来の意味は、サービスの向上や品質の改善のための要求や依頼などを指し、企業側にとっては改善すべき点などを見直すきっかけとなりうるものとなっています。

 

一方でカスタマーハラスメントは、嫌がらせを目的とした理不尽な主張のことを指します。世にいうクレーマーとは、本来はカスタマーハラスメントを行う人物のことを指すと考えた方が良いでしょう。

 

◆カスタマーハラスメントの事例
カスタマーハラスメントに該当する、典型的な行為としては以下のものがあげられます。
①長時間の拘束
②暴言
③脅迫

 

①長時間の拘束
お客様相談センターなどでよく発生するカスタマーハラスメントとして、長時間の拘束をした上で、誹謗中傷をおこなったり、文句を言うというものがあります。

 

このような事態が発生する理由は非常に瑣末なものが多く、とにかく長時間文句を言うことによって、自身の主張をなんとか押し通したいといった願望や、ストレスを発散するために強く言い返すことのできない店員に対し、大きな態度で接するといったものがあげられます。

 

長時間の拘束による影響は、業務の遅延ももちろんのことですが、従業員の精神的な負担が大きくなってしまいます。

 

②暴言
従業員に対する過度な暴言などもカスタマーハラスメントの典型例です。
また、暴言に付随して、「土下座をしろ」「すぐに家まで謝りにこい(持ってこい)」などといった、無理な要求などもあります。

 

こちらも従業員の精神的な負担が大きくなってしまうものであり、問題となりやすいです。

 

③脅迫
あまりにも度を越した要求や威嚇行為、金品の請求などもカスタマーハラスメントの典型例です。
このレベルになると、脅迫罪、恐喝罪、強要罪、威力業務妨害罪などの犯罪に該当する行為となってくる場合があります。

 

迷惑料を払わせたり、商品をタダにさせたり、従業員の土下座をSNSにアップするなどの、一線を超えてしまったものが多くあります。

 

◆カスタマーハラスメントへの対処法
事業主は、従業員と労働契約を結ぶことによって、労働者を保護する義務があります。

 

そのため、使用者は労働者の心身に影響がないように、配慮した行動やマニュアルの作成などをしておく必要があります。

 

●マニュアルや対応フローの作成
取り扱っている事業によって、消費者側のハラスメントの内容はある程度固定化されている傾向にあります。
そのため、過去のカスハラの事例や想定される事例をもとにマニュアルや対応フローを作成し、従業員に周知しておくことが、対策として非常に有用なものとなります。

 

●カスタマーハラスメント対策の研修
上記のマニュアルや対応フローを作成し、従業員に配布を行うだけでは、十分な対策とはいえないでしょう。
従業員がマニュアルを読まない可能性もあり、また読んでいたとしてもそれらを実行することができるかどうかと言うのは別問題となっています。

 

そのため、マニュアルがしっかりと機能するように、事業主が対策マニュアルの説明を改めておこなった上で、カスタマーハラスメントを想定した研修を定期的に実施しておくことで、より実効性のあるものとなります。

 

●証拠をしっかりと押さえて専門家に相談
カスタマーハラスメントは、言った言わなかったと水掛け論になってしまう可能性が非常に高くなっています。
電話相談サービスなどであれば、音声が自動的に録音されていることが多いため、問題ありませんが、店舗などでの直接の対応であれば、確実に証拠を残すことが難しくなっています。

 

そのため、店舗入り口などに、商品やサービスに関する取り決めを明記したポスターを貼っておくだけでも、カスタマーハラスメントを抑えることができます。

 

そして、万が一カスタマーハラスメントがあった場合であっても、取り決めとして内容を録音、記録する旨を規定することによって、確実な証拠収集となり得ます。

 

また、上記での説明の通りカスタマーハラスメントでは犯罪行為に該当するようなものもあります。
このような事態が発生した場合には、警察や弁護士の力を借りて、決して企業や店舗だけで対応しないことを徹底する必要があります。

 

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弁護士 黒川慶彦

  • 経歴
    昭和55年
    埼玉県所沢市生まれ
    平成15年
    中央大学法学部法律学科卒業
    平成17年
    司法試験合格
    平成20年

    法律事務所勤務

    一般民事から企業法務、知的財産訴訟等幅広い分野の案件に携わる。

    平成23年

    都内医療機器輸入商社にて勤務

    法務部門(国内外契約業務、労務紛争等)

    物流部門、マーケティング部門の責任者を歴任。

    平成30年

    真英法律事務所設立

    菊名支店代表

    令和4年7月
    新横浜の現事務所に移転し、『黒川慶彦法律事務所』に改称
  • 所属

    神奈川県弁護士会

    神奈川法人会

    新横浜ロータリークラブ

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