債務整理の種類|それぞれの違いと手続きについて
債務整理とは、借金の返済に苦しんでいる人を救済するために、返済額を減額したり、返済を猶予したりする手続きです。
この債務整理ですが、4つの種類があり、それぞれで手続きが異なります。
本稿では、主な2つの債務整理の種類とそれぞれの違いや手続きについて見ていきましょう。
任意整理
任意整理とは、債権者(消費者金融など)と借金の減額や金利の引き下げなどを交渉し、生活を破綻させることなく返済できるように借金を見直す債務整理方法です。
債権者と和解が成立すると、借金の利息部分は免除・減額されることが多いですが、基本的には利息以外の元金は返済しなければなりません。
しかし、借金の返済総額は減額され、返済期間も延長されるため、毎月の返済は楽になります。
⑴専門家に相談
相談を予約して、専門家と面談します。
任意整理の場合、実際に専門家と会うのはこれが最初で最後になることが多いので、事前に聞きたいことを整理しておいてください。
⑵専門家と契約
専門家と相談し、この専門家に仕事を任せても大丈夫だと判断したら、契約書を交わして正式に仕事を依頼します。
専門家がわかりやすく説明してくれますので、内容をよく確認しましょう。
特に費用の金額や支払い方法などは大変重要なポイントです。
⑶受任通知
相談の結果、正式に受任すると、専門家は各債権者に「あなたの代理人になりました」という通知を郵送します。
これが受任通知の発送です。
基本的に受任通知は、契約締結後すぐに作成・送付します。
⑷調査票
受任通知を送ってから、債権者からさまざまな書類が届くまで、通常1週間から3カ月ほどかかります。
これらの書類の中で最も重要なのは「債権調査書」で、債権者に現在の債務額と取引状況を知らせるものです。
ここから出た金額をもとに、具体的な和解内容が詰められます。
また、キャッシングの利用期間がかなり長い方については、取引履歴をもとに過払い金が発生していないか再計算を行うこともあります。
⑸和解案の作成と和解成立
債権調査により各社の債権額が確定し、処理費用の積算が終了した段階で、具体的な和解案を作成します。
和解内容は、申請者の最新の状況を踏まえて決めることとなります。
その際、返済できないような提案をしても意味がありません。
そのため、どのような提案をするかは専門家と十分に話し合い、契約時と状況が変わった場合は必ず伝えるようにしましょう。
そして和解交渉をして和解が成立したら和解書の作成に移ります。
⑹完済
和解が成立すれば手続きは終了です。
その後は各社への返済を自身で行うことになります。
返済は計画的に、遅滞なく行いましょう。
個人再生
個人再生とは、裁判所が債務者の返済能力を認め、債務額を大幅に減額して原則3年間で返済する債務整理の方法です。
手続きの流れは以下の通りです。
⑴専門家に相談
⑵専門家と契約
⑶受任通知
⑷債務調査
受任通知を送ると、債権者からさまざまな書類が届きます。
その中で最も重要なのが「債権届出書」です。
現在の債務額や取引情報が記載されており、正確な債務額を把握するために使用します。
必要に応じて、取引履歴をもとに過払い金を計算し、債務整理を行います。
⑸申立書の作成
費用の積み立てが終わるころには、申立書の作成に入ります。
個人再生に必要な書類はたくさんありますので、専門家と分担して収集・作成することになります。
⑹申立て
裁判所に書類を提出し、個人再生の申立てをします。
⑺開始決定
書類が認可されると、再生手続開始決定が出されます。
このとき、手続きを指導監督する個人再生委員が選任されることがあります。
再生委員が選任されるかどうかは、地方裁判所の運用や事情によって異なります。
⑻債権届出・意義申述
開始決定がなされた後、裁判所は改めて債務の金額を確認します。
申立書に基づき、裁判所はまず債権者に債務額が正しいかどうかを確認します。
また、債権者から意義があれば反論できます。
裁判所は双方の主張をもとに借金の額を確定させます。
⑼再生計画案の作成と提出
決定した債務をもとに再生計画案を作成し、提出します。
再生計画案には、減額する債務額、残額を分割で支払う年数等を記載します。
⑽認可決定、精算と返済
再生計画案が債権者に可決されると、裁判所によって再生計画認可決定が出されます。
その後、領収書、裁判書類、返済予定表、銀行振り込みの案内が専門家から届きます。
実績試算で積み立てたお金は返却されますので、返済に充ててください。
認可決定から約1カ月後、再生計画に従って返済が開始されます。
返済期間は原則3年です。
債務整理は黒川慶彦法律事務所におまかせください
黒川慶彦法律事務所では、債務整理に精通した弁護士が在籍しております。
債務整理の方法やポイントについて気になることや疑問点がある方はお気軽にご相談ください。
02BASIC KNOWLEDGE事務所が提供する基礎知識
-
不動産売買契約書のチ...
不動産を購入する際には、一般的に契約書を取り交わします。高額な売買となるため、契約書の内容はしっかり確認し、誤りや誤解のないようにすることが大切です。 特に、以下の点に注意しましょう。・売買物件の内容・売買金額 […]
-
不動産トラブルを弁護...
不動産について問題・トラブルを抱えてしまった場合は、できるだけ早いうちに弁護士に相談することがお勧めです。 ■法律の専門家による適切・的確な対応不動産のトラブルは契約書の内容や各種法令の問題が複雑に絡み合う場合 […]
-
労務コンプライアンス...
コンプライアンスとはそもそも、法令や企業倫理を守ることを意味します。その中でも労務コンプライアンスは、労働関係法令を遵守したうえで労務管理を行うことをいいます。会社は、労働基準法のみならず、労働組合法や育児介護休業法、高 […]
-
予防法務とは
予防法務とは、将来法的紛争が起きることを事前に想定し、トラブルを未然に防ぐための対策をしておくことをいいます。 たとえば、労務分野においては、以下のような対策が重要です。 ・雇用契約書や就業規則、賃金制度の整備 […]
-
社員からパワハラで訴...
近年、職場でのハラスメントが取り沙汰されており、とりわけパワハラ問題が増加しています。万が一、従業員からパワハラで訴えられた場合にどのような状況が考えられるでしょうか。本記事では、企業がとるべき適切な対応や避けるべき対応 […]
-
懲戒処分を行う際の注...
■問題行動を起こす従業員がいたら従業員の中には、問題行動を起こす者もしばしば見受けられます。そのような場合に、会社側としてどのような対応をすれば良いのでしょうか。従業員の問題行動は、職場の雰囲気に悪影響を及ぼす可能性もあ […]
03SEARCH KEYWORDよく検索されるキーワード
04LAWYER弁護士紹介
私たちが提供したいものは、リーガルサービスの一歩先にある「安心」という価値です。 法的観点からの助言に止まらず、プラクティカルな解決策を提示することによって、 クライエント様が次の一歩を踏み出すために必要な「安心」をお届けします。
弁護士 黒川慶彦
-
- 経歴
-
- 昭和55年
- 埼玉県所沢市生まれ
- 平成15年
- 中央大学法学部法律学科卒業
- 平成17年
- 司法試験合格
- 平成20年
-
法律事務所勤務
一般民事から企業法務、知的財産訴訟等幅広い分野の案件に携わる。
- 平成23年
-
都内医療機器輸入商社にて勤務
法務部門(国内外契約業務、労務紛争等)
物流部門、マーケティング部門の責任者を歴任。
- 平成30年
-
真英法律事務所設立
菊名支店代表
- 令和4年7月
- 新横浜の現事務所に移転し、『黒川慶彦法律事務所』に改称
-
- 所属
-
神奈川県弁護士会
神奈川法人会
新横浜ロータリークラブ
05OFFICE事務所概要
名称 | 黒川慶彦法律事務所 |
---|---|
所在地 | 〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜3丁目20-5 スリーワンビル601号室 |
連絡先 | TEL.045-628-9570 FAX.045-628-9590 |
営業時間 | 平日 9:30~18:00(事前予約で時間外も対応可能) |
定休日 | 土・日・祝日(事前予約で休日も対応可能) |
相談料 |
初回相談/30分無料 初回電話相談/10分無料 |