自己破産の流れ|申立てから免責までの手続きや注意点など
借金の返済が困難になったとき、法的に借金をなくす方法として「自己破産」があります。
この記事では、自己破産の手続きの流れや注意点について解説します。
自己破産の手続きの流れ
自己破産の手続きは、大きく分けて次の3つの段階を経て進みます。
- 債権調査
- 申立て
- 免責決定
借金の返済が不可能と認められた場合、裁判所に申立てを行い、最終的に免責が認められることで借金の返済義務が免除されます。
ここからは、それぞれの段階について解説していきたいと思います。
債権調査
自己破産の第一段階では、債権者と借入状況を正確に把握することが重要です。
どこから、いくら借りているのか、保証人がいるのか、などを整理します。
その際に、大切になるのが債権調査票です。
債権調査票とは債権者から送付される、申立人の借金がいくら残っているかを記した書類のことです。
この債権調査票をもとに、申立人の正確な債務残高を把握していきます。
自己破産申立
債権調査が完了した後、地方裁判所に対して自己破産の申立てを行います。
申立書類には、債務者の財産や借金の詳細、生活状況などを記載する必要があります。
具体的には、以下の書類などが必要になります。
- 住民票
- 陳述書
- 資産目録
- 債権者一覧表
- 給与明細などの収入がわかる書類
書類を用意し申立てを行った後、裁判所が破産手続開始決定を出すかどうかを審査します。
同時に、少額管財となるか同時廃止となるかも判断されます。
少額管財とは、一定の財産が存在する、または免責不許可事由があるなど、裁判所が調査を要すると判断した場合に適用されます。
同時廃止とは、破産者に換価すべき財産がなく、調査の必要もないと裁判所が判断した場合に選ばれ、破産手続開始と同時に債務が免責される形式です。
免責決定
破産手続きの終了後、免責許可の判断が下されます。
免責とは、法律上の借金返済義務が免除されることを意味します。
裁判所が免責を認めると、借金の支払い義務がなくなります。
ただし、ギャンブルや浪費による借金などの免責不許可事由がある場合、免責が認められない場合があるため注意が必要です。
自己破産するときの注意点
自己破産を行うときには、以下のことに注意する必要があります。
- 財産を隠さない
- 自己判断で財産を処分しない
- 一部の借入先(知人など)だけに支払わない
財産隠しや偏頗弁済など免責不許可事由にあたる行為をすると、自己破産が認められない可能性があるため注意が必要です。
まとめ
自己破産は、借金問題の根本的な解決手段のひとつです。
手続きにはさまざまな書類の提出や複雑な手続きが必要であるため、弁護士などの専門家のサポートを受けながら進めていくことが有効でしょう。
自己破産の手続きでお悩みの際は、ぜひ弁護士にご相談ください。
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弁護士黒川 慶彦
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- 昭和55年
- 埼玉県所沢市生まれ
- 平成15年
- 中央大学法学部法律学科卒業
- 平成17年
- 司法試験合格
- 平成20年
- 法律事務所勤務
一般民事から企業法務、知的財産訴訟等幅広い分野の案件に携わる。
- 平成23年
- 都内医療機器輸入商社にて勤務
法務部門(国内外契約業務、労務紛争等)
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